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仕事は文書主義の原則で動きます。
文書は、自分の意思を正確に相手に伝える手段として有効です。
文書は「証拠」として役立ちます。
文書は、長く記録として保存できます。
読みやすい文章は、短文を積み重ねた文章です。
修飾語や接続詞を使いすぎないようにしましょう。
ビジネス文書は、最初に結論を持ってきます。
対外的に社内の人を紹介するとき、敬語は使いません。
現代の文章は、すべて口語体です。
漢字は、スンナリ自分の頭から出てくる程度のものを使いましょう。
「どうも非能率的だ。
報告書を作るのにかなりの時間を取られてしまう」。
よく、こんな嘆きを耳にします。
確かに、仕事の中で文書作成に要する時間・労力はバカになりませんし、「あー、この時間を外回りにさけたら、今月の売り上げはもっと上がるのになあ」などと、つい思いがち。
でも、ちょっと待ってください。
文書作成は、本当に非能率的な仕事なのでしょうか。
先ほどの嘆きの場合、彼にとって、報告書が「手段」ではなく「目的」になってしまったのが問題なのではないでしょうか。
次項で詳しく説明しますが、職場(企業役所すべて)は「文書主義の原則」で仕事をすすめなければなりません。
ひとことでいうと、仕事は言葉ではなく「文書」を媒介にして行われるわけです。
これは、あくまでも職場組織の約束事でありルールなのですから、必ず守らなければいけません。
つまり、文書は仕事をすすめる上での「手段」であり、けっして「目的」ではないのです。
“非能率的”なのは、文章を名文にしようとする労力や、毎回一から報告書を作成するような仕事のやり方が原因なのです。
帳票形式にして○×の記入ですます方法も考えてください。
さて、「文書主義の原則」は、文書作成提出→文書の受領→ゴーサイン→文書による結果報告(中間報告も)の一連の流れを形づくります。
「4WDのオープンカーを、次のわが社の主力として売り出したいのですが」「すぐ、プロジェクトを組んで制作に取りかかりたまえ」いくらワンマン社長でも、これは許されません。
「文書主義の原則」の前では、ただの“茶飲み話”にしかすぎないのです。
提案者は、定められた書式で文書を作成し、上司に提出する。
その文書は各クラスの会議にかけられ、最終的に社長が判断を下す、とこうなって初めて仕事が開始されるわけです。
もちろん、その間に、提案者は会議に呼ばれて説明を求められることもあるでしょう。
しかし、あくまでも“主役”は、文書。
提出した文書の内容と矛盾するような説明をした時は、その点の修正を、また文書で提出させられるのがオチでしょう。
では、なぜ仕事は「文書主義の原則」ですすめられなくては、いけないのでしょうか。
仕事に限らず、日常生活の中での聞き間違いや、ウッカリ度忘れは多いもの。
「モジモジ、今日、7時(シチジ)に会いましょう」「ワカッタ、1時(イチジ)ね」「そう、シチジ」電話連絡でのこんな失敗談は、経験済み?!「シチ」と「イチ」は、よく聞かないと間違えやすいものです。
こんな場合、7時を「ナナジ」とでも言い換えるべきでしょうが、そこまでの気の回る人は少ないでしょう。
話し手の発音もかなり影響するとはいうものの、人間の耳は不確かなものです。
もし、メモで「今日、7時に会いましょう」と渡しておけばどうでしょう。
読み手が、これを「シチジ」と読もうが「ナナジ」と読もうが、これは無関係。
誰が見ても「7時」であって「1時」と間違えたくてもできないでしょう。
つまり、自分の意志を正しく相手に伝える手段として「文書」の必要なワケが理解できたのではないでしょうか。
プライベートなお付き合いの中でのこんな失敗なら、あとで何とでも埋め合わせができます。
しかし、こと仕事となるとそうはいきません。
7時に会う約束を、確実に聞いたとしましょう。
今夜なら、よほどのことがない限り、約束を破ることはないでしょう。
しかし、1週間先の約束となると、どうでしょう。
毎日の仕事に忙殺されているビジネスマンには、片端から片付けていかなければならない約束がゴマンとあるわけで、はたして、1週間先のことまでを頭の中に止めておけるでしょうか。
人間の記憶ほど、アテにならないものは、ありません。
「忘れる」だけでなく、自分に都合よく解釈して覚えていることも多いからヤッカイです。
しかし、手帳に正確にメモしておけば、1ヵ月先のスケジュールでも、1年先のものでも(メモ欄を見るのを忘れない限り?!)大丈夫。
これは、仕事の文書と同じです。
どんな人間関係の中でも「言った」「聞かない」のトラブルは起こりがちですが、その場合、文書の形で残しておけば、そんなイザコザは防げます。
つまり“証拠”です。
本人の記憶になくても“紙”が、しっかり記録しておいてくれます。
「文書」の必要なワケの第2点です。
10年前のものでも即座に目の前へ第3点は「保存性」です。
新聞社や図書館は、いわばタイムトンネルではないでしょうか。
誰でも、居ながらにして、太古の昔を旅することができます。
これは、もちろん書物の中の話ですが、仕事の文書も同じです。
上司から「実は10年前にある理由でストップしたままの企画があるのだが、今年度から再スタートなることになった。
ついては、君にその担当をまかせたい」あなたがもし、入社5年目なら、その5年前のいきさつを知ろうはずはありません。
「その頃の事情を知りませんから、その担当はお断りします」そう言いますか?でも、ビジネスマンである以上、そんな勝手は許されませんね。
こんな場合、社内に、その仕事に関する文書が整理保存されていれば、たとえ、入社1年目のフレッシュマンだったとしても、10年前の仕事を理解できるでしょう。
これは、日常業務にも当てはまります。
ある仕事の担当者が長期欠勤したり、転勤したり、退職した場合でも、キチンと整理された文書が保存されていれば、さしあたり誰でもその仕事を継げます。
仕事は間断ないスムーズな流れの上に乗ってすすめられるものですから、その媒介をつとめる文書の大切さがおわかりでしょう。
さて、文書はキチンと整理され保存されている。
各担当者は、その文書と首っ引きで仕事に取り組んでいる。
なのに、どうもシックリこない。
これは、文書の“質”の問題です。
文書の基本は、誰が読んでも一目で理解できる内容で書かれていることです。
“解釈の相違”が成立するようでは、文学の世界はいざ知らず、ビジネス文書では失格。
女子の社員と嘱託には、手当てを支給するものとする。
上のような文書が、掲示されたとしましょう。
誰からも質問が出ず、スムーズに事務が運ぶでしょうか。
そうではありません。
この文書は、読みようで次のような解釈が成り立ちます。
①女子社員と、性別にかかわりなく嘱託には手当てを支給する。
②女子社員と女子の嘱託に、手当てを支給する。
この文書の担当者は、次のように書くべきだったのではないでしょうか。
女子社員と、全員の嘱託には手当てを支給するものとする。
または、女子社員と女子の嘱託には、手当てを支給するものとする。
こうすれば、誤解されようがありませんね。
「簡単明瞭」が、文書の基本。
この例の場合、文章自体はごく短く、簡単なものには違いありませんが、明瞭さに欠けていたのは残念。
あいまいな表現では、人を納得させることはできません。

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